「プーシキン美術館展ー旅するフランス風景画」を見てきました。
実は風景画はいいかなぁとスルーするつもりだったんだけど、友人が「よかったよー」というので駆け込みで鑑賞。
結果、行ってよかったです!
風景画も時代の流れとともに大きく変化しているんですね。
美術史を勉強し始めたので知識としてはわかっていたけど、実際に見るとやっぱり理解が深まりますね。
あまり好みではなかったフォービズムに惹かれたのは自分でも意外。
美術書の小さな写真でみるのと実物とではまったくの別物で、やっぱり美術展に足を運ぶって大事だと実感した美術展でもありました。
純粋な風景画はわりと新しい
《ナミュール包囲戦、1692年》ジャン=バティスト・マルタン
風景画といっても昔は単に風景を描くことは少なかったんですよね。
神話を盛り込んだり、史実を伝える目的であったり、主題は別にあったんです。
風景は描かれているんだけど、舞台装置的なかんじ。
風景そのものが主体となるのは割と近年になってのことなんです。
プーシキン展でも風景画の源流として、「別に主題のある風景画」からスタートします。
時代とともに移り変わる風景画の世界を楽しめる構成で、この流れがとてもよかったです。
光や空気感を描く印象派
風景画といえば印象派。
モネは日本でも人気が高いですよね。
日の光や、それによって生まれる水のきらめき。
季節による空気感の違い。
そういった自然の中の美を描く流れが風景画の中に生まれます。
以前の舞台としての風景から、風景が主役の絵へ。
ここは風景画としての大きなターニングポイントですね。
フォービズムによる力強い風景
《港に並ぶヨット》アンドレ・ドラン
個人的に美術書で見る限り好みではなかったフォービズムの作品。
実物を見たら、ビビットな色合いとインパクト、そして離れて見たときの独特の写実感。
一目で心惹かれて思わずクリアファイルを購入しちゃいました。
こういう「思っていたのと違う」っていう出会いがあるのも美術展の魅力。
想像の中の風景
「プーシキン美術館展ー旅するフランス風景画」のパンフレットにもなってるアンリ・ルソー。
実在の風景ではなく、イメージの中の風景を描いています。
これまでも風景画は「写生」ではなく、理想としての風景、肌で感じた風景が描かれてきています。
でも、ルソーの描く風景はそれをさらに発展させたようなかんじ。
年代別に見てくるととても近代的な印象を受けました。
まとめ
風景画ばかりじゃイマイチなんじゃないかなーという思いを、いい方向に裏切ってくれたプーシキン美術館展。
時代とともに変化する風景画を鑑賞するのは、美術史の学習にもぴったりでした。
東京での会期は終了しましたが、これから関西で展示が始まります。
ぜひぜひ足を運んでみてくださいね。
プーシキン美術館展ー旅するフランス風景画
公式サイト→http://pushkin2018.jp/
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