この記事では、薬膳の定義、薬膳の考え方、日本食と薬膳について掲載しています。
特別な食事のイメージがある薬膳ですが、決して特別ではありません。
日本でも薬膳の考え方は日常的な食事のメニューに使われていたりします。
では、薬膳とはどのようなものなのか見てきましょう。
薬膳の定義
薬膳とは、「中医学の理論に基づき、食物が持つ 薬理作用を組み合わせた食事」と定義されています。
中医学というのは 、中国を中心とする主に東アジアで行われてきた伝統医学の総称。
医薬学の理論と臨床経験に基づく長い歴史のある医学です。
中医学には未病先防(予防医学) という考えがあり、病気が発症する前に体質を見ながら対応していく、 未然に防ぐ、という予防医学として近年注目を集めています。
薬膳は、未病先防に基づいた食事ということもできます。
薬膳の考え
薬膳の特徴は、全ての食物を独特の効能で分類することです。
「陰陽五行説」に基づき
1.体の状態にあわせて
2.必要な作用をもたらす食材を用いることで
3.体を整えていく
というのが薬膳の考え方です。
体が冷えているときに生姜を使うというのも薬膳。
特別な食材を使わなくても薬膳はつくることができます。
薬膳の分類の一部を紹介します。
五性(五気)
- 体を温める「温性」「熱性」→内臓や血管の動きを活発にし、血液の流れを良くする
- 体を冷やす「寒性」「涼性」 →炎症を抑える、解毒や利尿を促進させる働きをする
- どちらでもない「平性」 →穏やかな性質の食材
五味
- 「辛味」→体を温め 発汗を促し気の巡りを良くする
- 「甘味」→ 滋養作用があり栄養を補う
- 「酸味」→体を引き締め、寝汗や頻尿などに作用する
- 「苦味」→熱や余分な水分を排泄し 解毒・消炎・鎮静などの作用がある
- 「鹹味(塩味)」 → 固いものを和らげ、 通便などの作用 がある
日本食と薬膳
日本には古くから中国と交流があり、中医学も伝わっています。
薬膳は日本でも「医食同源」として料理に取り込まれてきました。
風邪のときに葛湯を飲むというのも薬膳の一種。
涼性で熱をしずめ、甘味で滋養があるので、喉が痛くて固形物が食べにくいときにはぴったりです。
体を冷やす冷奴に、ポカポカ作用のある生姜を添えて、冷えすぎないようにする。
など、定番の和食の中にも「医食同源」つまり薬膳の考えが用いられています。
実は薬膳は和食ともとても相性のいいものなんです。
薬膳についてのまとめ
- 薬膳は中医学の考えに沿った食事
- 食材は陰陽五行説に基づき、作用や効能で分類される
- 日本でも「医食同源」として昔から献立に利用されている
- 予防医学の考えに基づき、体調を整える作用が期待できる
- 特別な食材をつかわなくても作ることができる
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